これからの社会で重要なスキルは「AIと働く力を身につける」こと – 【書籍紹介:文系AI人材になる「野口竜司」】

5 min

2022年現在、これからAIの時代がやって来るというのはもはや事実だと思います。
しかし、「AIを活用したサービスが十分に浸透していない」と思いませんか?
視点を変えてみると「AI社会での新規ビジネスを企画する方法か解らない」のが現状だと思います。
本記事では ZOZOテクノロジーズの VP of AI driven business である野口さんが著した「文系AI人材になる」を紹介します。
本記事を最後まで読むと「AI活用サービスの本質とは何か?」「AI時代を生き抜くためにどういうスキルセットが求められるのか?」「今この瞬間から何をすべきなのか?」が解ります。

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なぜ、「文系AI人材になる」を求めたか?

これからAIの時代がやって来るというのは解っている

2022年現在、AIという言葉を聞かない日は無いです。BtoBの企業で働いていますが、新規ビジネスを企画する際は必ずAIが話題に上がります。

2015年頃とは異なり現在は地に足の着いた事例も当たり前になってきました。

AIを活用したサービスやビジネスが十分に浸透していない

世の中を見渡せば、GAFAMといったテックジャイアントだけでなくAIベンチャーやOSSが中心となり日進月歩で技術の革新が進んでいます。 

一方、ビジネスに目を向けると技術の進歩に比べるとAIを活用したサービスは今なお限定的です。多くは効率化や利便性の向上に留まっており、ライフスタイルを一新させるところまでは行っていません。

AIが持つポテンシャルはもっっと高いはずです。

AI時代において新規ビジネスはどう企画すれば良いのか?

しかし、AIを活用した新たなビジネスを企画しようにも、実際のところどうして良いのか解らないです。

今あるものの延長でしか想像が及ばないのです。

これから到来するAI社会に備えた具体的なアクションを知りたい

AIを当たり前のように使いこなせるとはどういうことか知りたいですよね。

だから、私は本書を手にとりました。

この本から私が知りたいことは以下の3点です。

観点①:AI活用サービスの本質(従来のITサービスとの違い)とは何か?

観点②:AI時代を生き抜くためにどういうスキルセットが求められるのか?

観点③:今この瞬間から何をすべきなのか?

「文系AI人材になる」の概要

著者・出版社・発行日

著者

野口 竜司(のぐち りゅうじ)

ZOZOテクノロジーズ VP of AI driven business
日本ディープラーニング協会 人材育成委員メンバー。ZホールディングスのZOZOで様々なAIプロジェクトを推進するかたわら、大企業やスタートアップのAI顧問・アドバイザーやAI人材育成も実施。「ビジネスパーソンの総AI人材化」をめざし活動中。著書に『文系AI人材になる』(東洋経済新報社)など。

東洋経済オンライン

出版社・発行日

東洋経済新報社(2020/1/2)

本書の概要

コアとなる主張

「AIをどう作るか?」よりも「AIをどう使いこなすのか?」のほうが大きな課題

人間とAIの共働きをうまくコントロールする役割としての「AI職」が重要になる

人間とAIの共働きスタイルは以下の5つがあります。

  • 人だけで仕事をする「ー型」
  • 人の仕事をAIが補助する「T型」
  • 人の仕事をAIが拡張する「O型」
  • AIの仕事を人が補助する「逆T型」
  • 人の仕事をAIが完全に代行する「I型」

概要

これまでは、AIを「作る」ことにフォーカスされてきましたが、ここ数年でAIはカジュアルに作れるようになりました。

したがって、「AIをうまく使う」人材、つまり、ビジネスや業務知識にくわしく、かつAIにも精通した人材がより重宝されるようになります。

本書では、理系AI人材がやらない「すべての仕事」として文系AI人材を定義しています。

  • AI企画 
  • AIを作るプロマネ
  • GUIのAI環境構築で作る
  • 構築済サービスを設定
  • AIの現場導入
  • AIの利用・管理
  • AI方針・投資判断

これからは文系AI人材がAIによる社会変化を引っ張っていくことになります。
文系AI人材には「AIと働くチカラ」が必要です。

著者は、「AIと働くチカラ」は下記ステップで身につける事ができると解いています。

  1. AIのキホンを知る
  2. AIの作り方を知る
  3. AIをどう活かすか企画する力を磨く
  4. AIの事例をトコトン知る

本書では文系と言っていますが、全てのビジネスパーソンに当てはまると思います。

本書はビジネスパーソンが「AI職」の重要性を理解し、「AIと働くチカラ」を身につけるための本です。

目次

  • はじめに 文系AI人材になろう!
  • 第1章:AI社会で職を失わないために
  • 第2章:文系のためのAIキャリア
  • 第3章:AIのキホンは丸暗記で済ます
  • 第4章:AIの作り方をザックリ理解する
  • 第5章:AI企画力を磨く
  • 第6章:AI事例をトコトン知る 業種別×活用タイプ別の45事例
    [流通・小売、EC・IT、ファッション、エンタメ・メディア、運輸・物流、車・交通、製造・資源、不動産・建設、外食・食品・農業、金融・保険、医療・介護・専門、人材・教育、コールセンター、生活サービス・警備・公共]
  • 第7章:文系AI人材が社会を変える
  • おわりに

観点①:AI活用サービスの本質(従来のITサービスとの違い)とは何か?

(従来のテクノロジーは置き換えや自動化がメインだったが)
AI社会では知覚能力や身体感覚を拡張することが出来る

「画像・動画識別力」「自然言語・会話制御力」「物体制御力」は、それぞれ以前からある機械学習の方式では、解決が難しかったが、ディープラーニングが道を切りひらきました。
・「画像・動画識別力」は眼の代わり
・「自然言語・会話制御力」は耳と口の代わり
・「物体制御力」は身体の代わり

文系AI人材になる-統計・プログラム知識は不要 第3章

脳のそれぞれの機能を模倣することでAIが発展してきているかのように、AIの分類も人の脳と同様に4つに分類することができるのです(図表3-12)

文系AI人材になる-統計・プログラム知識は不要 第3章

IT時代は、情報の質的変化(アナログ -> デジタル)と、情報処理の精度と速度(転送処理も含む)の劇的な向上がその本質だと勝手に思っています。

忠犬SE

忠犬SE

一方、AI時代は人間の知覚神経・運動神経の機能拡張だと理解しました。
脳というか神経系の拡張という方がニュアンス的に近いと思います。

忠犬SE

忠犬SE

観点②:AI時代を生き抜くためにどういうスキルセットが求められるのか?

AI企画で重要な力は、AIのタイプ(*)を解像度高く理解すること
*(識別系・予測系・会話系・実行系)×(代行型・拡張方)

「AIとの共働きスタイル」は複数パターンがあることもお伝えしてきましたが、AIの浸透にあたり、人間の業務がAIに置き換わったり、AIによって拡張されていき、人間とAIが一緒に共同して働くシーンがとても多くなってくるはずです。このような背景から「AIと働くチカラ」は、人間とAIが共に働くことが前提になった環境において、非常に重要な能力になるのです。

文系AI人材になる-統計・プログラム知識は不要 第2章

後ほどくわしく説明をしますが、「WHO:誰のためのAI?」「WHY:なぜAIが必要?」「WHICH:どのタイプのAI?」「WHAT:どんなAI?」「HOW:どう分業する?」「WHEN:いつまでにどう用意する?」といったAI企画の5W1Hを練る仕事です(図表2-11)。

文系AI人材になる-統計・プログラム知識は不要 第2章

解決する課題の種類によって活用できるAIのタイプが自然と絞られてきます。前に紹介した「識別系AI」「予測系AI」「会話系AI」「実行系AI」の分類と、「代行型」「拡張型」をかけ合わせた8つのAIタイプ(図5-6)から、適したAIタイプを指定してみましょう。

文系AI人材になる-統計・プログラム知識は不要 第5章

「AIをどう使いこなすのか?」という観点では、AI企画力が一番重要だと思っています。

忠犬SE

忠犬SE

そして、AI企画力という点では、AIについて本当に知らないといけないのは
「WHICH:どのタイプのAI?」を決める時だと思います。

忠犬SE

忠犬SE

観点③:今この瞬間から何をすべきなのか?

AIの動作原理を詳しく知る必要は無く
AIの基本を知り、作り方をザックリと学ぶ

私は、この4ステップのことを、文系AI人材になるための「4階構造」といったりすることもありますが、文系の人がゼロからAIのことを学ぶのに最適な順番、最適な内容だと思います。

STEP① AIのキホンを丸暗記する
STEP② AIの作り方をザックリ理解する
STEP③ AI企画力を磨く
STEP④ AI事例をトコトン知る

文系AI人材になる-統計・プログラム知識は不要 第2章

従来型のITサービスを実装するのにマシン語や通信技術を知る必要はないのと同じで
AIの動作原理を詳しく知る必要はないということですね。

忠犬SE

忠犬SE

まとめ

本記事では、「文系AI人材になる」を紹介しました。

重要ポイントは以下の3点です。

AI社会では知覚能力や身体感覚を拡張することが出来る

AI企画で重要な力は、AIのタイプ(*)を解像度高く理解すること
*(識別系・予測系・会話系・実行系)×(代行型・拡張方)

AIの動作原理を詳しく知る必要は無く
AIの基本を知り、作り方をザックリと学ぶことから始めれば良い

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kewton

kewton

大学院卒業後、某大手SIerで10年以上SEとして従事。
社会人3年目までに基本情報・応用情報技術者、データベーススペシャリスト、簿記3級・2級を取得。
基幹系システム・IoTシステム開発のプロジェクト経験多数。AI活用システムの企画・プロト開発経験あり。
強みは、プロマネだけでなく自身で開発も実施してきたこと。
【扱える言語】
C#、java、python、javascript、Excel VBA
【扱えるDB】
oracle、sql server、postgreSQL、mongoDB

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